対外開放の戦略転換 5
前述の記者会見の席上、朱鎗基市長は開発計画の資金難をどうするのかという質問に、
「上海人はお金がある」
・・・と市民の財布も資金計画のアテにされていることを示唆しました。
その一方、90年4月の上海市人民代表大会の政治報告では原稿にはなかった「都市ガスの普及に全力を投入する」ことをアドリブで入れ、市民に生活改善を約束したのです。
地域開発の側面から見て、新旧市街地の間にアンバランスな結果が生まれることは、市政府として絶対に避けたいという意向が強く働いたものと思われます。
黄浦江をまたいで、新市街地と旧市街地を結ぶ南浦大橋は浦東開発のシンボルです。
91年の年末には完成、そして華々しい開通式が行われました。
その陰で、いまの居住条件の改善が優先順位1位と考える旧市街地の市民から、冷めた声がもれてきそうな気がするのは私だけではないようです。
「北京」ばかりではなく、上海の市民感情も推し量りながらの舵取りが続くのです。