産業活性化の道を探って
ハーバード・ビジネススクールのブルース・R・スコットは、日本の場合、リカード流の静態的比較優位に従わず葡萄酒をとらずに羅紗をとって成功したと主張します。
彼によれば
「日本人はそのようにして、国家レベルで動態的比較優位を見出し、またはそれを創り出したが、多くの点で、それは企業の多角化戦略と相通ずるものがあり、有望でない分野から有望なところに資源を移転したのである」。
・・・ところでスコットは、アメリカの場合について、どうみているでしょうか。
スコットによれば、
「国際競争力は2つの相拮抗する国家戦略によって、漸次形成されてきた。
一方は成長"生産性と対外競争力に、他方は国内経済保障と所得再配分に、それぞれ重点を置いている」。
彼は前者を発展的戦略といい、後者を分配的戦略といっています。
アメリカは分配的戦略をとっているために、市場経済の「見えざる手」に委ねられ、政府の役割は市場の動きとパイの平等な分配を監視する審判にすぎません。
・・・これに対し日本は、発展的戦略をとり、「見える手」によって成長と生産性に高い優先順位が与えられ、資源の移転が行われてきました。