産業活性化の道を探って 2
アメリカが既存の資源賦存や既得権にこだわって、資源移転の優先順位の硬直化を免れないのとは、きわめて対照的であるといわねばなりません。
もっとも、スコットの場合、産業政策論者ではありません。
彼の国際競争力戦略はあくまでマクロ的な立場に立つものであって、彼は産業政策を、優先順位の基本的な転換を伴わない応急措置にすぎないとみています。
現在アメリカにおける産業政策の是非論では、スコットのように否定的立場に立つものが多いのです。
産業政策という用語自体、自由主義的伝統に立つアメリカ人には違和感があってなじまない言葉のようです。
こうした批判者のなかには、レーガン政権の経済顧問のアラン・グリーンスパン、ニクソン政権のCEA(経済諮問委員会)議長のハーバート・スタイン、カーター政権のCEA議長チャールズ・L・シュルツなど、保守的立場の学者や専門家が多いのです。
小宮隆太郎氏の指摘を待つまでもなく、産業政策という言葉は、最近まで英語ではほとんどみかけられなかった言葉で、きわめて日本的な発想に基づくものといえるでしょう。